リレックス スマイル 研究会

ドクターリレーコラム

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サイト掲載日 2018年02月22日

より侵襲の少ない手術を目指して

私が眼科に入局した23年前、白内障手術が3mm程度の小切開で手術が可能になった頃、網膜剥離の手術や硝子体手術はまだまだ侵襲の強い手術でした。その後数年して「LASIKっていいらしいですよ」という話を耳にしました。たまたま硝子体手術を学びに行っていた病院でLASIKを始めると言う瞬間に偶然出くわし、そこで見学させて頂いたのが私の屈折矯正手術への第一歩となりました。その後、外来診療などでお世話になっていた高槻眼科でフェムトセカンドレーザーVisuMaxを導入する際に術者として携わることになりました。LASIKではフラップを作るので角膜知覚が低下し、ドライアイなどを引き起こすことが言われています。その後、その欠点を克服した、さらに侵襲の少ないであろうReLEx SMILEを開始しました。術直後の診察ではLASIK後の患者さんは大抵涙を流しているのですが、ReLEx SMILE後の患者さんはほとんど涙を流していない!傷口の小ささがなせる技だと思います。ReLEx SMILEは正直やることは簡単なのですが、透明な角膜の中に作った透明なレンチクルを抜き出すという作業は慣れないと難しいところがあります。ただ、十分にトレーニングを積んだ医師が行えば問題なく行うことができる手術です。認定クリニック一覧の認定医をご確認頂ければ十分にトレーニングを積んだ医師が確認できますのでご参考にして頂ければと思います。

白内障手術や硝子体手術なども小切開で侵襲の少ない手術へと移り変わりつつあります。低侵襲手術、英語で言えばminimally invasive surgery と言う言葉がもてはやされています。ReLEx SMILEはMinimally Invasive Corneal Refractive Surgery (MICRS)とでも呼べる手術なのではないかと個人的には思っています。

 

和歌山県立医科大学付属病院紀北分院眼科 宮本 武