リレックス スマイル 研究会

ドクターリレーコラム

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サイト掲載日 2016年12月28日

ReLEx SMILEを開始して

当院は20年前からLASIKを中心とした屈折矯正手術を行っております。ドライアイ患者様の多くはコンタクトレンズを使用すると違和感や乾燥感があって「コンタクトレンズ不耐症」となります。私が屈折矯正手術を始めたきっかけは、このようにドライアイ患者様が日常的に困っている様子を日々の診療で拝見しているうちに、コンタクトレンズに頼らない方法の必要性を痛感したことでした。そのころ(1990年代前半)に海外ではすでにレーザーによる近視の矯正術が始まっていて、是非導入したいと思いました。
その後アメリカ留学中に、ちょうどLASIKがFDAに認可され、その手術の簡便さや術後の良好な経過、メガネやコンタクトレンズから開放された患者様の喜びを目の当たりにし、帰国後、当院(南青山アイクリニック)を開院しました。
はじめはPRK、その後はLASIKを中心にレーザー屈折矯正術を、そして高度近視の方などに対する有水晶体眼内レンズを行って来ました。LASIKは適応範囲も広く、安定性や精度もよく、術後のダウンタイムもほとんどない優れた手術です。ただ、フラップを作成するため、非常に稀ではありますが、眼をひどくぶつけるなどのアクシデントでフラップに損傷がおこる可能性があります。また、フラップ作成が原因の一時的なドライアイ症状が起こります。
ReLExSMILEはフラップを作成しない新しいレーザー屈折矯正術で、前述のようなLASIKの欠点をカバーすることができます。私達はリレックススマイル研究会のご指導のもと、1年前に開始し、良好な結果を得ています。私たちが以前にまとめたLASIKとドライアイの関係で、術前にドライアイのある方はLASIK後にドライアイの症状が長引く可能性があることがわかっています(Toda I, et al. Laser in situ keratomileusis for patients with dry eye. Arch Ophthalomology 120: 1024-1028, 2002.)。したがって、ドライアイが術前から気になる方はReLEx SMILEを検討してみると良いのではないでしょうか?今後、もっと経験を重ねてReLEx SMILEに長期経過やメリットについて情報提供していきたいと思います。なお、初期のReLEx SMILEの経験については1月の眼科手術学会で報告予定です。

南青山アイクリニック
院長 戸田郁子