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サイト掲載日 2016年12月06日

屈折矯正手術後の白内障手術

最近、当院では過去にレーシックやPRK等の屈折矯正手術を受けた方で白内障手術を検討されて来院される方が増加傾向にあります。
白内障手術で眼内レンズを挿入する場合、通常、角膜曲率半径(角膜のカーブの値)と眼軸長(眼球の大きさ)から、挿入する眼内レンズを計算するのですが、過去にレーシックやPRK等の角膜形状を変化させる屈折矯正手術を行っていた場合、通常の方と同じ計算式を用いて度数を計算すると目標の設定値よりも大きくズレてしまうことがあります。
そこで近年はレーシック手術後に対応した眼内レンズ計算式(Haigis-L式等)が開発され、術後の屈折データずれが非常に少なくなりました。
この計算式は、IOLマスターという角膜曲率半径・前房深度・眼軸長を測定する機械に標準装備されていますので、術前の近視・乱視の度数や角膜の形状がわからなくても、IOLマスターがある施設であれば、過去にレーシック手術を受けていても問題なく白内障手術を受けることが可能です。
ごく稀に設定値との微妙なズレが起きることがありますが、通常の白内障手術でも同様のことがおこりえますし、対処法としてもう一度レーシック手術で度数を微調整したり、あるいはadd on(アドオン)レンズという眼内レンズを追加で挿入することで度数調整が可能ですので、心配は要りません。
ただ上記の手術は、設備と技術と経験がないと当然行えませんので、LASIK術後の白内障手術は屈折矯正手術を行っている施設で行うことをお勧めします。

新宿近視クリニック 理事長
苅谷麻呂