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サイト掲載日 2016年11月21日

屈折矯正手術の精度を極める

 レーシック手術を開始して、10年以上が過ぎました。患者さんは盛んにおこなわれている、東京方面を目指しているため、仙台、という地方都市では、症例はあまり増えません。一般に新しい術式を持ち込んだ時に、科をとわず、最初はあまりうまくいかない場合があります。いわゆる「ラーニングカーブ」です。中央の専門クリニックと対等に競争するには、「ラーニングカーブ」が終了した所から、出発することが必須、と考えました。名古屋アイクリニックの中村友昭先生にお願いして、すべての面で教えていただきました。初対面にもかかわらず、快く指導を引き受けていただき、今も続いています。本当に感謝しています。

 さて、ここから本題です。数年前、ある先生から、「ICLをはじめたいが、何が一番大切ですか?」と質問されました。私は、即座に「視能訓練士」と答えました。。彼はその意味が分からず、きょとんとしていました。
 レーシックの術後、合併症が起きないことは勿論ですが、過矯正にならずに1.0~1.5の裸眼視力を全例に実現する、というのが屈折矯正手術を行う医師の目標になります。手術量は近視・乱視の量で決まりますから、正確に手術量を決めるためには視能訓練士の練度を限りなく上げていく必要があります。そのために当院の視能訓練士を指導する、「上級視能訓練士」(私の勝手な命名です) 2名を名古屋から毎月交互に派遣してもらい、現在も続いています。
 最近、ICLは勿論、多焦点眼内レンズ、通常のIOLも、「屈折矯正手術」の範疇に入ってきました。
術後のターゲットパワーをどこに設定するか、綿密な検討を迫られる症例も増えてきました。今になって、レーシックで鍛えられた視能訓練士の「練度」が役に立っています。術後の屈折誤差をエキシマレーザーで修正した症例は皆無です。
 屈折矯正手術は、術式の問題も含めて、医師が主役ではありますが、視能訓練士の役割が、医師に劣らず重要で、今は「医師+視能訓練士」が主役と考えるのが正しいと考えています。

                                      仙台市 佐藤裕也眼科医院
                                          佐 藤 裕 也